セプテンバー・イレブンから立ち直ること
以下は、あっとニューヨーク管理人が2003年初頭にサイトをリニューアルする際に書き残した覚え書きです。911(セプテンバー・イレブン)のワールドトレードセンター同時多発テロ後に、旅行業界およびニューヨークの社会が立ち直ることを目標としてあっとニューヨークはリニューアルを行いました。htmlやデザインすらも分からない管理人が独学でサイトを作り始め、あっとニューヨークは今日に至っています。
9月11日のテロが起きた時、わたしは、ブルーミングデールズというデパートで、同社のマーケティングセミナーをコーディネートしていました。携帯電話が通じなくなり、同僚から2本の塔が崩壊した、ということを聞きました。その時の感情は今になっても何だったのか把握できません。
目に見えるかのように形のある時間が一瞬にして転換した、そんな気がします。歴史が変わった瞬間だったと思います。ワールドトレードセンターが電話の電波塔だったことで、チャーターバスへの連絡がとれなくなり、仕方なく同僚とともにお客様70名ほどをお連れし、マンハッタンから外に向かう人の流れとは逆にホテルまで歩きました。お客様もこの事件が何を意味するのか理解できず、何が起こったのか、何が起ころうとしているのか、その時は騒然たる状況だったので不安だったと思います。
結局JFK空港は一週間の間、厳戒令が敷かれ、その間お客様方はホテルに閉じこもるしかありませんでした。テロで影響を受けたのは、何も旅行者だけではありませんでした。わたくしたちニューヨーク現地で働く旅行業界も、多大にその影響を受けることになりました。半数以上の下請け会社は看板を下ろし、大手のなかにはオフィスを閉じて郊外に移転するところも出たほどです。わたくしたちはオフィスをそのまま留めることができましたが、その後予定されていた仕事はほとんど全てキャンセルとなり、日本からの旅行者はめっきり減ってしまいました。同業界の人間も、赤十字から生活を支援してもらった者、他の業種に転向した者など、あの時のテロは生活にダメージを与えるに充分な出来事でした。
2003年に入り、松井選手がヤンキースに入団するという吉報もあいまって、日本からの旅行者も徐々に戻ってきつつあります。ニューヨークに旅行者が戻ってきてくれることがニューヨーカーやわたしたちを勇気付けることになります。そして日本からの旅行者がテロ以前の水準まで戻ってくることで、わたしたちや、ニューヨークのこの業界の人々も立ち直ることができるものと信じています。「At-New
York」は、お客様がニューヨークに帰ってきてくれるように、またわたしたちがテロ後の悲惨な状況から立ち直るためにも頑張っていかなくてはと思っています。(管理人)
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